木場皮膚科クリニック

良性腫瘍

老人性イボ(顔、首、体)

老人性イボとは?

イボといわれるものの中で、加齢や紫外線のダメージを受けてできる良性の腫瘍を脂漏性角化症といいます。
ご年齢とともに数が増え、ほとんどの高齢者でみられます。
首や体にアクロコルドン、スキンタッグという小さなやわらかいイボが多発することがあります。軟性線維腫の一種でこちらも良性の腫瘍です。
特に治療の必要はありませんが、かゆみを伴う場合や、気になる場合、整容的に除去したい場合は、治療対象となります。

  • 脂漏性角化症脂漏性角化症
  • 脂漏性角化症脂漏性角化症
  • アクロコルドンアクロコルドン
  • スキンタッグスキンタッグ
保険適用内の治療

液体窒素による凍結療法が一般的です。
ダーモスコピーにより悪性腫瘍が疑われる場合には他院へのご紹介や、当院で皮膚生検という検査に出すこともあります。

液体窒素による凍結療法とは

-196℃の液体窒素を使い、イボを凍らせて細胞を壊死させていく治療法です。
しみるような痛みを伴います。
治療後は、2.3日程痛みが続くこともあります。数日後にカサブタや水疱・血疱になることがあります。1〜2週間くらいかけてカサブタや水疱・血疱が代謝とともに取れていきイボが小さくなるという治療です。目に見えたカサブタや水疱・血疱ができなくても、少しずつ剥がれて小さくなっていきます。
1回の治療では取りきれないことがほとんどで、1〜2週間毎に液体窒素を繰り返します。取りきれるまでの回数は腫瘍の大きさや厚さ、部位、体質により個人差があります。
施術後は、お風呂や洗顔など普段通り可能で、自宅での処置やガーゼ保護等も不要です。

水疱や血疱が大きくできて生活に支障が出る場合には、ご来院いただければ処置することができます。
腫瘍が取れた後に一時的に炎症後色素沈着を生じることがあります。時間の経過とともに薄くなり馴染んでいきますが、紫外線対策を怠ると長く残ってしまうこともあります。

液体窒素照射後の
SK、スキンタッグの経過(照射1週間後)

  • SKSK【液体窒素】
  • スキンタッグスキンタッグ【スキンタッグ液体窒素】

レーザー治療(自費診療)が
推奨される場合

当院では、CO2レーザー(スキャナー&フラクショナルハンドピース搭載CO2レーザーAcuPulse™)による治療も行っています。
CO2レーザーによる治療は、液体窒素と比較して、1回で取れることや、治療後の痕が小さく目立ちにくいのが特徴です。出血はしません。特に当院で使用しているCO2レーザーはスキャナー搭載のため、正確・均一な焼灼が可能で、治療時間が短く、傷の治りが早くきれいなことが特徴です。
しかし、レーザーによる治療でも全く痕が残らないということではありません。赤みが3~6か月程度残ることがありますが、時間とともに馴染んでいきます。
当院のメニューでは、取り放題メニューもありますので、多発するイボを一気にきれいにされたい方におすすめです。基本的には多発していてもまとめて除去させていただきます。イボ取り放題の体の施術につきましては、曜日によって前面と後面で日を分けて施術させていただくことがありますので、ご承知おきください。施術時間については、こちらをご確認ください。
脂漏性角化症の治療後は、状態により1週間程度肌色のテープを貼っていただく必要があります。
アクロコルドンの治療後は、2.3日外用が必要になります。

CO2レーザー(AcuPulse™)による老人性イボの治療

  • 治療前CO2レーザー(AcuPulse™)による治療前
  • 治療直後CO2レーザー(AcuPulse™)による治療直後
  • 1週間後CO2レーザー(AcuPulse™)による治療1週間後
  • 2週間後CO2レーザー(AcuPulse™)による治療2週間後
  • 3週間後CO2レーザー(AcuPulse™)による治療3週間後

ほくろ

ほくろとは?

ほくろは医学的には母斑細胞母斑とよばれます。
母斑とは、色調や形の異常を呈する限局性の皮膚奇形のことをいい、母斑細胞が増殖した良性腫瘍がほくろです。

ほくろが大きくなると悪性?

確かに、悪性のものは大きくなる傾向にあり、6㎜を超える場合には悪性黒色腫の可能性を考える必要があります。
しかし、生まれつきのものや、幼少期にできたほくろが、体の成長によって皮膚が伸ばされるとともにほくろも大きくなることがあります。
また、成長に伴い隆起してくる種類のほくろも存在します。
心配な場合には、こちらでダーモスコピーができますのでご相談ください。

ダーモスコピー・・・ダーモスコープという光源のついた拡大鏡を用いた、主にほくろなど腫瘍の診断の際に行う検査のことをいいます。肉眼では確認できない皮膚の深部の構造や色素の分布を把握し、より正確な診断に繋げることが可能です。

治療

ダーモスコープを用いた検査により、良性・悪性の鑑別を行います。
良性と診断され、ご希望がなければ無理に治療する必要はありません。
悪性腫瘍が疑われる場合には他院へのご紹介や、当院で皮膚生検という検査をすることもあります。
除去希望の場合には、ほくろの種類、大きさ、部位、そして患者様のご希望に合わせて治療法を選択します。
当院では、手術やCO2レーザー(炭酸ガスレーザー:AcuPulse™)による治療を行っております。
手術は、深いところまで取り切れるメリットがあります。費用もレーザーと比較して安価になることが多いです。そして、切除した組織は病理検査に提出し確定診断を行いますので、悪性の心配が拭い切れない場合にはお勧めです。
CO2レーザー(炭酸ガスレーザー:AcuPulse™)は自費診療になります。レーザーの方が傷痕は目立ちにくく、きれいに短時間で治癒するというメリットがあります。しかし、深くまであるほくろの場合は、深く削ると凹みが大きく残ってしまうため、ほくろの細胞を取り残してしまうデメリットもあります。取り残した場合、当院では、同じほくろに対しての追加施術は無料でさせていただいております。

ほくろのレーザーの経過

  • 治療前ほくろのレーザーの経過(1)
  • 治療直後ほくろのレーザーの経過(2)
  • 2か月後ほくろのレーザーの経過(3)
  • 3か月後ほくろのレーザーの経過(4)

粉瘤

粉瘤とは?

粉瘤とは、皮膚の下に嚢胞と呼ばれる袋状のものができ、その中に嚢胞から産生された古い角質や皮脂など老廃物が溜まってしまう良性の腫瘍です。
正常な皮膚は角質や皮脂などの老廃物は代謝で皮膚から剥がれていきますが、皮膚の細胞で構成されたその嚢胞は袋状になって出口が狭いために本来剥がれていくべきものが袋の中に蓄積していきます。時間とともに内容物は増え、粉瘤は徐々に大きくなっていきます。
粉瘤の多くは、腫瘍の皮膚表面に黒~灰色の点やその部分が小さく陥凹した部分が確認できます。そこが、嚢胞が皮膚表面とつながっている袋の出口です。圧迫を受けた際などに出口から臭いのある白っぽい内容物が出てきます。

炎症を起こしていない粉瘤

  • 炎症を起こしていない粉瘤(1)
  • 炎症を起こしていない粉瘤(2)

粉瘤はなぜできる?

臭いのある老廃物がたまることで、不潔にしていると出来ると思われる方もいらっしゃいます。決してそうではなく、全身隈なく探せばどなたにも1個や2個発見されると言われるほど、皮膚科としてよく見るご病気です。
体質的に多くできやすい方がいらっしゃいます。
なぜ、皮膚の下に嚢胞が出来てしまうのかは、一部を除いて分かっていません。外傷やウイルス感染が関与しているものもあります。

炎症性粉瘤『感染』??

基本的には、炎症を起こさなければ見た目以外には大きな問題を起こしません。徐々に大きくなりますが、無症状です。
しかし、何らかの誘因により赤く腫れあがってしまうことがあります。痛みを伴います。
昔は、赤く腫れあがった状態は細菌が侵入した『感染』だといわれ抗生剤の投与がなされていた時代もありますが、今ではそれは多くは感染ではないとされています。
嚢胞の壁が破壊され内容物が皮膚の下にさらされた結果、本来皮膚の外にあるべき角質や皮脂に対する異物反応が起こったとされる考えが主流となりました。
しかし、二次的に感染を併発している状態や、持病に糖尿病など感染しやすい体質のある方には抗生剤を投与することがあります。

炎症性粉瘤の治療

何らかの誘因により赤く腫れあがってしまった粉瘤は、根治的手術の適応はなく、姑息的治療となります。
炎症の原因は、嚢胞の内容物が皮膚の下にさらされている事による異物反応であるため、その内容物を排出することが治療になります。処置は局所麻酔をした後、切開し中身を圧出します。処置後は次回ご来院いただくまでガーゼを剥がさないでください。上から防水テープを貼りますので、そのままシャワー浴としていただきます。翌日、再診していただき再度処置します。状態によりその後の受診頻度は変わってきます。
切開排膿が出来ない場合には、強い異物反応を抑える目的でステロイドの局所注射を選択することもあります。

姑息的治療では、嚢胞の内容物を排出したに過ぎず、嚢胞の壁は残存しています。同じ部位がまた大きくなる事や、炎症を再発することがあります。根治的治療を望まれる場合は、炎症が落ち着いてから(約3か月待つ)手術を検討します。↓炎症を起こしていない状態の治療をご参照ください。

姑息的治療・・・症状の緩和や改善を目的とした医療行為。

炎症を起こしていない状態の治療

外科的切除(手術)が治療です。
粉瘤は老廃物がたまり、徐々に増大していくため、大きくなってからの手術よりは、小さいうちに手術で取ってしまう方が、傷痕は小さく目立ちにくいです。
炎症を起こしている状態では根治的治療である手術はできません。炎症をおこしていない状態もしくは炎症を起こした後3か月ほど経ってから手術を行います。
当院での手術も行っております。ただし、状態を拝見し手術の適応があるか判断させていただき、さらにサイズや部位によっては他院での手術をご紹介させていただくこともございますこと、ご了承ください。

炎症性粉瘤の処置
ご希望で来院の場合

当日そのまますぐに処置が可能です。

炎症を起こしていない
粉瘤の手術
をご希望で来院の場合

当日手術ご希望の方は、1時間ほど余裕をもってお越しください。
また、混雑状況により診察後、手術の準備が整うまでお待たせしてしまうこともございます。ご理解をどうぞよろしくお願い申し上げます。